「感覚」でピアノを弾くということ
どうも、きんたろです。
今回のコラムのテーマは「感覚でピアノを弾くということ」なのですが、やっぱりきんたろは、常々「自分がやっていることは果たして耳コピなのだろうか?」と疑問に思うわけです。
疑問に思うくらいなら、「耳コピ講座」なんて名前を付けなければ良いのに…なんて、思うかと思いますが、正直な話、耳コピと第売った方が興味を持ってくださる人がいるのかな、という安直な理由でしかないんです(笑)。
ちなみに、コトバンクにはこのように書いてありました。
耳コピ(耳コピー)とは、音楽を耳で聴いてコピーする(=演奏を再現したり楽譜を起こす)作業・技術である。タグとして用いられる場合は、「全ての音を忠実に拾い、原音と同じような音色で演奏した」という意味である。
つまりは、完成された音楽(作品としてレコーディングされ、販売、発表されている音楽)を、耳で聞くだけで「採譜ができる」作業や技術のことを、「耳コピ」と呼ぶようなのです。
ということは、耳コピ=音を正確に完璧に再現できないといけない。
ということになります。
そう考えると、なるほど。きんたろは今まで一度も「耳コピをしていなかった」ということになりますね(笑)。
ただ変な話、「耳コピアレンジ」ということになると一気に変わってくるのだと思います。
「耳コピ」は、ベースやギター、ストリングスやドラムなど、主旋律(≒ボーカルなど)以外の音も含めて、全ての楽器を、それぞれの楽器で完璧に再現する、という意味合いも含んでいる半面、
「耳コピアレンジ」では、ピアノアレンジであればピアノだけ。ソロギターアレンジであればギターだけ…という風に、楽器は一つだけを使うことが殆どです。実際問題、ピアノでドラムパートを演奏できるかと言われても無理がありますからね(エレクトーンは別として…)。
つまり耳コピアレンジとは、様々な楽器が組み合わさっている音楽を、「楽器ひとつで弾けるようにアレンジしたもの」ということになります。
そしてこの「耳コピアレンジ」をさらに、「ジャズアレンジ」や「ボサノバ楓」など手を加えることができるので、「アレンジ」と言っても幅広いものなんだな、ときんたろは思うわけです。
そう考えると、普段きんたろがやっている耳コピ(というか、ピアノでの遊び)は、
①原曲をひたすら聞く→②自分が弾きやすいように「耳コピアレンジ」をする→③自分の好きなアレンジ曲になるように「独自のアレンジを加える」
ということになってくるのではないかと。(うん、なんだかスッキリしてきた)
そして何より、「きんたろの耳コピ講座」では、この②の部分を重点的に紹介しているということになります。
なので本当ならば「耳コピ講座」ではなく、「耳コピアレンジ講座」に書き換えないといけないですね(笑)。
さて、今回のコラムでの本題は、言うなれば、③自分の好きなアレンジ曲になるように「独自のアレンジを加える」という部分になります。
とは言っても、こればかりは直ぐにできるようになる、ということでもありません。
ですが、大事なポイントとしてはやはり「自分の感覚に頼る」ということになるのではないでしょうか。
ここでの「感覚」というのは、聴覚や視覚といった「知覚」のことを指すのではなく、直感
や習慣といった経験に基づく「音楽的感覚」のことを意味しています。
例えば、好きなアーティストの曲があったとします。
あなたは、それが「なぜ好きなのか」を言葉にすることはできますか?
きっと、多くの人は「歌詞が印象的だから」「メロディがなんとなく…」と、漠然としか思いつかないのではないかと思います。中には「歌ってる人の声が好き」だから聞いている、という人もいるかもしれません。
歌詞の良し悪しについては、ここでは割愛させていただくとして、
きんたろは、次の要素が「好き嫌い」に関係してくるのではないかと考えています。
①メロディ(主旋律)
②音色(楽器の種類)
③テンポ(曲の速さ)
④音の強弱
⑤和音(コード進行)
あくまできんたろが思いつく範囲ですので、他にも要素としてあるのだとは思いますが、概ねこの5つではなのではないかと思っています。
それぞれの要素の説明についても、長くなりますのでここでは割愛させていただきますが、
例えば、
①メロディ(主旋律)
一音一音を嚙み締めるような、演歌のようなメロディが好き
半音を織り交ぜた、独特なメロディが好き
低音から高音まで目まぐるしく変化する、常にメロディが鳴っているような曲が好き
こどもでも歌えるような、誰でも分かりやすいメロディが好き
②音色(楽器の種類)
エレキギターの強いエフェクトの効いた機械的な音が好き
ハープの眠たくなるような柔らかい音色が好き
アコーディオンの西洋風の音色が好き
③テンポ(音の速さ)
早歩きしたくなるようなアップテンポが好き
一音一音が心に響くような、ゆっくりなテンポでじっくりと音を聞きたい。
④音の強弱
昔のゲーム音楽のような、一定の音の強さで淡々とした曲の方が好き
オーケストラの、喜怒哀楽のある物語を見ているような、劇場音楽が好き
⑤和音(コード進行)
シンプルなメジャースケールのコード進行が好き
悲しげなマイナースケールのコード進行が好き
ジャズのブルースが好き
などなど、人それぞれ「好き嫌い」があるのではないでしょうか。
「以前はこういう曲が好きだったけれど、今は全然聞こうと思わない」とか、「友達の影響で以前聞かなかった曲も好きになった」など、好き嫌いが変化した人もいるかもしれません。
また、民族や宗教的な影響、お国柄も関係しているかもしれません。
何にせよ、街で流れる流行りの曲、家に置いてあったCD…など、これまで聞いてきた音楽が、全て自分の中で「経験」として残り、その中で自分にとって良い音楽を「取捨選択」し、「好み(=音楽的感覚)」として、頭の中に残っているのだと、きんたろは思っています。
少し小難しい話になってしまいましたね…(笑)
で、何を話したいのかといいますと、
この「音楽的感覚」こそが、「独自のアレンジ」を作るためのもっとも重要な要素となってくるということです。
好み(=音楽的感覚)がはっきりしていればしているほど、個性としてはっきりと表現ができるようになりますし、好みがたくさんあればあるほど、アレンジの幅は広がっていきます。
この講座を見て頂いている皆さまには、ピアノで耳コピアレンジができるようになれたら終わりではなく、ぜひ、その先にある「独自のアレンジ」ができるよう目指して欲しいなと、きんたろは思っております。
ピアノで表現をする方法(耳コピアレンジ)を練習しながら、日頃から好きな音楽を聞き、それ以外にもたくさんの音楽に触れ引き出しを増やしていくことで、いずれは「自分の中にある音楽的感覚をピアノで表現」ができるようになるはずです。
自分だけの音楽。
それは自分が幸せな気持ちになるための、最高の楽しみです。
最後に、きんたろの知る、たくさんいる好きなアーティストの一人を紹介して終わりたいと思います。
実際に聞いて頂けたら分かるかと思いますが、
この動画では、楽譜を見ていません。
かといって、暗譜しているわけでもありません。
完全に、即興(その場で曲を作りながら弾いている)で弾いていることがわかると思います。
このアーティストのことは正直良く分かりません(失礼)
小さい頃からピアノを習っていたからこそ、こうやって素晴らしい演奏ができているのかもしれませんし、初めから楽譜を読まないで弾いている人なのかもしれません。
音楽理論を熟知しているから素敵な演奏ができるのかもしれませんし、全く理論を知らないからできるのかもしれません。
でも、そんな難しく考えなくても、良い音楽には人を惹きつける魅力があります。
それが、音楽の一番の凄さですよね♪
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